SSブログ

「脳で治す腰痛DVDブック」その3 [腰痛]

「脳で治す腰痛DVDブック」その2の続きとなります。

 「認知行動療法」の知識を深めるために参考となる書籍として前回は、菊地臣一先生のご著書「腰痛のナゼとナゾ」をご紹介しました。今回は下記の2冊をご紹介します。

【2】「腰痛診療ガイドライン2012」 日本整形外科学会 日本腰痛学会監修 ⇒対策その①の参考となります。

腰痛診療ガイドライン 2012

腰痛診療ガイドライン 2012

  • 作者: 日本整形外科学会
  • 出版社/メーカー: 南江堂
  • 発売日: 2012/11
  • メディア: 単行本

 医師向けの書籍なのでちょっと敷居が高いです。
 本ガイドラインはクリニカルクェスチョン(clinical question :CQ)とその回答で構成されていて、CQの総数は17です。そのうち4つのCQ(CQ11、12、14、17)に「認知行動療法」の有効性についての記載があります。
 ガイドラインからも「認知行動療法」の重要性が読み取れます。

「脳で治す腰痛DVDブック」(以下、「腰痛ブック」)内で引用されている部分を下記に記載します。

(抜粋・一部改変)
Clinical Question 12
腰痛に患者教育と心理行動的アプローチ(認知行動療法)は有効か
要約
…(中略)…
Grade A 認知行動療法は,亜急性または慢性腰痛の治療に有用である.
解説
腰痛に対し認知行動療法が有効であるとする多くの報告がある.亜急性腰痛の職場復帰に対する認知行動療法の効果を調べた系統的レビューでは,医師,理学療法士,心理療法士,看護師による認知行動療法として,腰痛は良好な自然経過をたどるという説明の聴講,運動療法指導,作業療法,腰痛学級,腰痛体操などの介入を行った結果,6ヵ月後で復職率に効果があり,12ヵ月以降では休職日数の減少に効果があったとされた.
またメタ解析でも,成人の非特異的慢性腰痛に対し,認知行動療法, self-regulatory treatment (自己規制的療法)などの精神医学的介入を行うことで,腰痛の程度,期間,うつ状態,日常生活動作,精神状態の改善に効果があったとされている.
さらに腰痛の予後に対し認知行動療法が有効であったとするRCTがある.
一方,他のRCTでは,コントロール群と比較し有意差はないが,自動運動と教育に加えて認知行動療法を行った群では痛みの減少や身体障害の改善に効果を認めたとされた.
以上より,亜急性または慢性腰痛の患者に対し,認知行動療法は効果があるといえる.

 専門用語が多く患者様にはざっくりとしか理解できないと思いますが、ご矯味がある方は図書館などで流し読みしてみてはいかがですか。

【3】「新しい腰痛対策Q&A21」松平 浩著⇒対策その②の参考となります。

新しい腰痛対策Q&A 21―非特異的腰痛のニューコンセプトと職域での予防法

新しい腰痛対策Q&A 21―非特異的腰痛のニューコンセプトと職域での予防法

  • 作者: 松平浩
  • 出版社/メーカー: 産業医学振興財団
  • 発売日: 2012/11
  • メディア: 単行本
 「腰痛ブック」内で紹介されている「これだけ体操」の考案者 松平 浩先生のご著書です。
 松平先生が考案された「これだけ体操」には2種類の方法があります。

①腰を反らす「これだけ体操」
 「腰痛ブック」で紹介されている体操です。
 前屈みの姿勢をとった場合やしばらく座りっぱなしで猫背姿勢が続いた後に行います。

②腰を屈める「これだけ体操」
 「腰痛ブック」では紹介されておりません。
 高いヒールを履いた状態で立ち仕事を続けたり営業で長く歩いたりしたときに行います。
(方法)
 椅子に腰かけ、両足を開き、息を吐きながらゆっくり床を見る(腰を屈める)。
3秒間を1~2回行う。

 本書籍は「これだけ体操」をイラスト入りで分かりやすく解説しています。
他にも、「恐怖回避思考」、「心理社会的要因」、「ストレスとぎっくり腰との関係」など「腰痛ブック」の内容と関連する項目が多く記載されています。
 「腰痛ブック」を読破し実践されている腰痛持ち患者様にはさらに知識を深める一助となる書籍です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

おすすめ本


脳で治す腰痛DVDブック

脳で治す腰痛DVDブック

  • 作者: NHKスペシャル取材班
  • 出版社/メーカー: 主婦と生活社
  • 発売日: 2016/01/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

腰痛のナゼとナゾ―“治らない”を考える

腰痛のナゼとナゾ―“治らない”を考える

  • 作者: 菊地 臣一
  • 出版社/メーカー: メディカルトリビューン
  • 発売日: 2011/08/10
  • メディア: 単行本


共通テーマ:健康

「脳で治す腰痛DVDブック」その2 [腰痛]

前々回のブログの続きとなります。

 書籍「脳で治す腰痛DVDブック」(以下、「腰痛ブック」)が推奨する腰痛対策を私なりにまとめると次のようになります。


◆対策その① 書籍付属のDVDを観る
・・・DVDを観て正しい知識を身に付け腰痛に対する恐怖を取り除く
◆対策その② 書籍で紹介している「これだけ体操」を実践する
・・・体を動かすことで、動いても大丈夫と自信をつけて恐怖を減らす
(対策その①・②でも腰痛が改善しない場合は)
◆対策その③ 認知行動療法を受ける
・・・カウンセリングや運動などを通じて物事のとらえ方を変える

【認知行動療法】
 認知行動療法とは,人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けることから認知の偏りを修正し,問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした構造化された精神療法である.行動療法(学習理論に基づく行動変容法・理論の総称)と認知療法(認知や感情に焦点を当てる心理療法)とを併せたものが認知行動療法と解釈されており,従来,他の心理療法よりも比較的短期間で治療効果が認められるとされ,パニック障害,強迫性障害,摂食障害,不安障害などに効果があると言われている.
引用:「腰痛診療ガイドライン2012」


 対策その①は認知行動療法の中の「認知療法」の一種です。また、対策その②は認知行動療法の中の「行動療法」の一種です。つまり、本書籍では「慢性腰痛の対策には『認知行動療法』が重要です」と説いているのですね。

 そこで、「認知行動療法」の知識を深めるために参考となる書籍を、2回に分けてご紹介いたします。

【1】「腰痛のナゼとナゾ」 菊地臣一著 ⇒対策その①の参考になります
 菊地臣一先生(福島県立医大理事長兼学長)は腰痛研究の第一人者です。この書籍は、その先生が腰痛患者向けに執筆されたものです。
 腰痛に関する正しい知識を得るには打って付けの書籍です。もちろん、「認知行動療法」についても記載されています。
 以前に私のブログでもご紹介しておりますので、詳細はこちらをご覧ください。
(補足)
 菊地先生は「腰痛ブック」内でも腰痛に関する見解を述べられております。付属DVDにも登場されております。

 長文となりました。次回は、「腰痛診療ガイドライン2012」と、「これだけ体操」考案者 松平先生のご著書「新しい腰痛対策Q&A21」についてご紹介いたします。
(次回につづく...)

 最後までお読みいただきありがとうございました。



共通テーマ:健康

腰痛に関する患者様向け書籍のご紹介(その2) [腰痛]

 以前のブログで、腰痛で悩んでおられる患者様向けのお奨め書籍をご紹介しました。今回はその第2弾です。
 ご紹介する書籍は
「脳で治す腰痛DVDブック」NHKスペシャル取材班著 主婦と生活社(2016.2) 定価:1380円+税

脳で治す腰痛.jpg

この書籍について
■NHKスペシャル「腰痛・治療革命」をDVDブック化
 2015年7月12日放送、医療科学ドキュメンタリー番組「腰痛・治療革命~見えてきた痛みのメカニズム~」は最先端の腰痛治療を紹介し、放送直後から番組に対する問い合わせや再放送希望の電話があっという間に1,000件を超えるほど、大きな反響を呼びました。
 この書籍は、その放送内容を「DVD」と「本」にまとめたものです。

■書籍を購入する前に
 この書籍では、まず、購入前に次の質問票に答え、「合計10点以上になった方は、本書の内容がきっと役に立ちます」と述べています。

  問① 私の腰痛は“身体の動作”が原因で生じた
  問② “身体の動作”は、私の腰の痛みを悪化させる
  問③ “身体の動作”は、私の腰に悪い影響を与えるかもしれない
  問④ 私の腰痛を悪化させる(かもしれない)“身体の動作”をすべきでない
  問⑤ 私の腰痛を悪化させる(かもしれない)“身体の動作”はできない

 設問についてどう感じたかを、「まったくそう思わない」を「0」とし、「どちらともいえない」を「3」、「まったくそのとおり」を「6」として、0から6でお答えください。
 なお設問における“身体の動作”とは、たとえば「前かがみになる」「持ち上げる」「歩く」「運動する」などの日常的な動作を指します。

■合計点10点以上になった人は...
 腰痛対策その① 本の(付属のDVDの)5分間映像を見る
 腰痛対策その② 1回たったの30秒「背中を反らす」

 本書ではこの対策を講じることによって「長引く腰痛に悩む約6割の人に改善効果がありました」と報告しています。

 質問票合計点10点以上になった方は、本書籍のご購入を検討されてはいかがですか。価格も安価ですし。。。
 次回のブログでは本書の内容をもう少し詳しくご紹介いたします。

 最後までお読みいただきありがとうございました。



共通テーマ:健康

ぎっくり腰ーQ&A [腰痛]

 患者様から寄せられる、 よくあるご質問にお答えいたします。 今回は、「ぎっくり腰に安静は必要か」についてです。

Q.ぎっくり腰になったら安静にしていなければなりませんか?
A.ぎっくり腰になった日の翌日までは安静が良いでしょう。3日目からは無理のない範囲でできるだけ動くようにしてください。その方が治りも早いし、再発予防にもなります。


根 拠
■その1
 2012年に日本整形外科学会・日本腰痛学会の監修により刊行された「腰痛診療ガイドライン2012」には、「安静は必ずしも有効な治療法とはいえない.急性腰痛に対して痛みに応じた活動性維持は,ベッド上安静よりも疼痛を軽減し,機能を回復させるのに有効である」と記載されています1)。

■その2
 竹下克志 先生(東京大学医学部整形外科学講座)は、医学雑誌「ペインクリニック Vol.34 No.1」の中で、「腰痛診療ガイドライン2012」について以下のように述べています2)。

急性腰痛にはトリアージを提示し,必ずしもX線撮影が必須でないことを記した.また,これまでの安静治療に対する問題を認識し,できるだけ早期の活動開始を促すことを明言している・・・(中略)・・・
最後に今回のガイドラインで強調したい内容について触れておきたい.
急性腰痛に関しては,これまでの安静治療に対する問題を認識し,できるだけ早期の活動開始を促すことである.これは,かつての入院安静治療とは正反対の治療方針であるが,認知行動的観点からも望ましく,最終的には早期の疼痛軽減と機能回復につながる.これはすべての第一線の医師に理解いただきたい点である.・・・(中略)・・・

■その3
 腰痛研究の第一人者 菊地臣一先生(福島県立医大理事長兼学長)の著書「腰痛のナゼとナゾ」の中で、急性腰痛の対処方法について、フィンランドの有名な研究報告を基に次のように述べています3)。

安静がよくないならば腰痛を起こした直後にはどうしたらいいのでしょうか。これに関して面白い研究があります。・・・(中略)・・・
この報告からも安静にして寝ているのが最もよい対処法とは言えず、ストレッチをしたり日常生活を送ったりするほうが「より良い対処法」と言えます。・・・(中略)・・・
ただし、誤解しないで欲しいのは、ぎっくり腰になって痛くて動けないときに「無理してでも普段通りの生活をしろ」という意味ではありません。痛みを我慢して仕事や家事をすれば、さらに痛みが増すようなことにもなりかねません。痛みとつき合いながら、耐えられる範囲内で無理のないように生活することが、結果として腰痛の改善に役立つのです。

■その4
 関東労災病院勤労者筋・骨格系疾患研究センター センター長 松平 浩先生の著書「新しい腰痛対策Q&A21」4)によれば、「ぎっくり腰で医療施設を受診した際に、安静を指導された人(安静群)と痛みの範囲内での活動を指導された人(活動群)の翌年のぎっくり腰の再発状況を検討。安静群のほうが、翌年にぎっくり腰を再発するリスクが3倍以上高い結果」となったと述べています。
さらに、「動けないほどのぎっくり腰を患った場合には、数日程度なら仕事を休んでも構いませんが、長くても3日以上の安静を保つことは避けましょう。つまり安静にする期間は、できるだけ最小限にしましょう」と明記しています。

■その5
 2012年10月30日放送「NHKきょうの健康」では、紺野 慎一先生(福島県立医科大学教授)が、「ほとんどの場合、2、3日ほどで痛みが軽くなるので、それからは出来る範囲で動きましょう。動かせる部位は積極的に動かすのが急性腰痛症を早く治すためのコツです」と述べています。

おわり

参考文献
1)日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,腰痛診療ガイドライン策定委員会編:腰痛診療ガイドライン2012,南江堂,38,2012.
2)竹下克志:腰痛診療ガイドライン,ペインクリニック,34(1):7-14,2013.
3)菊地臣一(2011)『腰痛のナゼとナゾ』株式会社メディカルトリビューン
4)松平 浩(2012)『新しい腰痛対策Q&A21』公益財団法人 産業医学振興財団


nice!(0) 
共通テーマ:健康

腰痛と「心理社会的因子」その5 [腰痛]

腰痛と「心理社会的因子」その5
~腰痛診療ガイドライン2012~

前回の続きとなります。

「Clinical Question 5 腰痛の自然経過はどのようであるか」についてご紹介します。

---以下、ガイドライン本文(一部改変)---
Clinical Question 5 腰痛の自然経過はどのようであるか
要約
(中略)
Grade B 心理社会的因子は腰痛遷延の因子となる.

解説
(中略)
 急性腰痛が長引く要因や予後予測因子に関して2つの系統的レビューがある.
 2001年に出された職業関連腰痛のガイドラインでは,34の系統的レビューや17のガイドラインを検討している(LF01736,EV level Ⅰ).その結果,個人的なまたは職業上の心理社会的因子は,腰痛やそれに伴う身体機能障害の遷延に:重要な役割を果たす高いエビデンスがあると報告している.また,身長,体重,身体所見(下肢伸展挙上テスト,腰椎可動域など)は,予後との関連は少ないとしている.
 2002年の系統的レビュー(LF02175,EV level Ⅲ)では,発症後3ヵ月以内の腰痛患者を対象として,心理社会的因子と腰痛の予後との関連を調べた25論文を検討している.その結果,心理社会的因子の中でも特に心理的苦悩,抑うつ気分などは腰痛遷延と関連があった.
 日本においては,勤労者慢性腰痛患者(100日以上の休業47例,30日以下の休業167例,平均年齢46.5歳)を対象に長期休業に影響を及ぼす因子を検討した論文(LJ00838,EV level Ⅳ)が2006年に出されている.その結果,心理的要因,喫煙,重労働,小規模事業所が長期休業に関与する因子であった.
---ガイドライン本文 おわり---

注)本文中の「LFXXXXX」は文献番号です。

次回は、「Clinical Question 11 腰痛に運動療法は有効か」についてご紹介します。

おわり

文献
1)日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,腰痛診療ガイドライン策定委員会編:腰痛診療ガイドライン2012,南江堂,2012.
2)竹下克志:腰痛診療ガイドライン,ペインクリニック,34(1):7-14,2013.

腰痛と「心理社会的因子」
その1
その2
その3
その4



共通テーマ:健康

腰痛と「心理社会的因子」その4 [腰痛]

腰痛と「心理社会的因子」その4
~腰痛診療ガイドライン2012~

前回の続きとなります。

Clinical Question 4 腰痛は心理社会的因子と関係があるか」についてご紹介します。

---以下、ガイドライン本文(一部改変)---
Clinical Question 4 腰痛は心理社会的因子と関係があるか
要約
Grade A 腰痛の発症と遷延に心理社会的因子が関与している.
Grade B 腰痛に精神的要因,特にうつ状態が関与している.

解説
心理社会的因子が,腰痛の遷延に関与することを示唆するエビデンスレベルの高い論文は多い.職業性腰痛を調査した系統的レビューでは,心理社会的因子が腰痛の遷延とその治療成績に影響を与え(LF01736,EV level Ⅰ),腰痛が3ヵ月以内に起こった患者を対象とした系統的レビューでは,腰痛の予後不良因子として,年齢,下肢痛以外に腰痛の既往,うつ状態,仕事上の問題,仕事上の不満などをあげている(LF01609, EV level Ⅰ).
(中略)
精神疾患が慢性腰痛に関与しているか否かについては,うつ病との関連が指摘されている.15歳以上で腰痛が調査時と既往にない約9000例を対象としたインタビュー調査では,慢性腰痛の発症を予測する因子はうつ病,慢性疾患,腰・頚部の外傷の順であった.
(中略)
高齢者の腰痛とうつ状態に関しての調査では,合併症や活動性などの因子とは無関係に日常生活制限を伴う腰痛とうつ状態の関連が示唆された(LF02505. EV level Ⅲ).
また,高齢者の身体機能,握力,認知機能,うつ状態が腰痛の危険因子となるか否かを調査した研究では,良好に維持された身体機能は腰痛の遷延の予防に有用である一方で,うつ状態は70歳以上の腰痛患者の身体機能低下の危険因子となると報告されている(LF02429, EV level Ⅲ).
(中略)
慢性腰痛患者は急性腰痛患者と比較して,仕事に対する恐怖回避信念(fear-avoidance beliefs)1)が有意に高く,この差は1年の追跡調査で消失せず,感情的な悩みが1年後の疼痛と機能障害の予後予測因子に関係していた(LF02418. EV level Ⅲ).
(中略)

1)Fear-avoidance beliefs (恐怖回避信念)
 1983年にLethemらによって提唱された概念であり,特定の患者において痛みが極度に増幅される過程を,fear-avoidance modelを用いて説明している.このモデルでは,ある痛みに対して特別な理由もないのにこれがだんだん悪くなるなどと信じ込むような,破滅的解釈(catastrophizing)をしてしまう者では,痛みを強く恐れて逃避する傾向(fear-avoidance)がみられ,結果として廃用性の機能障害やうつ状態を引き起こし,さらに痛みが増強する負のサイクルに入り込んでしまうことを指摘している.
---ガイドライン本文 おわり---

注)本文中の「LFXXXXX」は文献番号です。

次回は、「Clinical Question 5 腰痛の自然経過はどのようであるか」についてご紹介します。

おわり

文献
1)日本整形外科学会診療ガイドライン委員会,腰痛診療ガイドライン策定委員会編:腰痛診療ガイドライン2012,南江堂,2012.
2)竹下克志:腰痛診療ガイドライン,ペインクリニック,34(1):7-14,2013.

腰痛と「心理社会的因子」
その1
その2
その3


腰痛に関する患者様向け書籍のご紹介 [腰痛]

書籍_腰痛のナゼとナゾ_表紙2.jpg

腰痛持ちの患者さんにお奨めの書籍をご紹介いたします。

書籍
「腰痛のナゼとナゾ」 菊地臣一著 株式会社メディカルトリビューン(2011. 8) 定価:1365円(税込)

福島県立医科大学理事長兼学長 菊地先生は「腰痛の名医」として名高く、先生がこれまで発表されてきた、医師向けの著書・論文は数多くにのぼっています。
ご紹介する書籍は、先生が初めて腰痛の患者さん向けに書かれたものです。
私は、腰痛で来院される患者様には、この書籍から得た知識をもとに腰痛へのアドバイスを行っています。

書籍の章の構成は以下のとおりです。
第Ⅰ章 「腰痛」はどこから来る?ト複雑多彩な原因を考える
第Ⅱ章 腰痛に効く治療法はあるのか?- 有効性の証拠を探す
第Ⅲ章 腰痛との共生-少しぐらい痛くてもいいではないか
補章 腰痛に隠れている可能性のある重い病気

第Ⅰ章では腰痛の通説の真偽を、国内外の研究結果をもとに分かりやすく解き明かし、最近の研究報告から腰痛には心理社会的因子が大きく関与していると説いています。
第Ⅱ章では、腰痛に対して行われている主な治療法が、効くのか否かを検証しています。
第Ⅲ章では、腰痛で悩んでいる人にとって役立つ、具体的なアドバイスを説明しています。
最後に補章では、腰痛をきたす病気を解説しています。

★原因となる病気が見当たらず、慢性的な腰痛で悩んでいる患者さんには以下の節を飛ばし読みするだけでも、腰痛の痛みから解放されるヒントが見つかるかもしれません。
①P.40「腰痛は心理・社会的な影響が大きい」~P.49「人々の意識を変えた、マスメディアからの情報提供」
②P.91「『認知の歪み』に気づき、それを変える治療法」~P.93「認知行動療法に希望の灯?」
③第Ⅲ章の全節

おわり



共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。